収録曲 全13トラック
1. Intro 1 (2:46pm)
何気ないバンドメンバーの雑談がそのまま曲の始まりとなる。平和な日常が突然崩れ去る瞬間を、ライアン・ケバリーのトロンボーンが鳴り響くサイレンと混乱をソロで表現し、次の物語へと引き継ぐ。
2. Where Is My Home?(私の家はどこ?)
福島第一原発から約5kmに教会があった牧師・佐藤彰さんの物語。自宅も教会もすべてを一瞬で失い、1年以上避難所を渡り歩き、教会員たちをサポートしようと祈りながら進み続けた。世界中からの支援で新たな教会が完成した今「次は私たちが助ける番」と語る。サム・ディロンの力強いテナーサックスとファストスウィングが混乱と願いを描き、穏やかな和音で新たな希望の到来を告げる。
3. I Live, I Talk(生きる、語る)
石巻市のご両親を津波で一度に亡くした高橋匡美さんの物語。深いうつ状態から日常へ戻れたのは、周囲が差し伸べた手のおかげだった。「一人ひとりの手を取っていったら、気づいたら日常に戻れていた」という言葉から生まれたこの曲では、クインシン・ノチオフのソロが他の奏者の音に導かれながら発展していく。
4. Let Me Talk About My Dream(夢の話をさせてください)
高橋匡美さんの息子、千葉颯丸さん(当時18歳)の物語。祖父母を震災で亡くし、うつ状態になった母の闘病にずっと寄り添ってきた。現在30歳を越えた彼は、人々が助け合いながら生きていける社会を探求し続けている。18小節のメロディが転調を繰り返しながら豊かなアンサンブルへと育っていく構成で、その歩みを表現した。
5-6. Intro 2 (Migiwa's Story) ~ A Step for Tomorrow(明日への一歩)
震災の翌年に文化庁奨学金でのニューヨーク留学が決まった宮嶋自身の物語。夢が叶った喜びと罪悪感の間で深く葛藤したが、友人の言葉を胸に一歩を踏み出した。ナレーションとピアノが静かに語りかけた後、この組曲でただ一曲宮嶋自身がピアノを弾き、盟友ジェイソン・ジャクソンのトロンボーンとのデュエットをフィーチャーして楽曲が進む。
7-8. Intro 3 (Takayuki's Story) ~ I Will Make a Change(私が変化を作る)
全住民避難で分断されてしまった福島県浪江町の再構築プロジェクトに参加するために東京から単身移住した吉永隆之さんの物語。ナレーションとベースソロが彼の決意を静かに告げた後、当時避けられていた場所に敢えて踏み込んだ意志を、祈りであり魂の叫びであるブルースで表現。優しくも力強いカール・マラギのバリトンサックスをフィーチャー。
9. Intro 4 (AK Akemi Kakihara & Together for 311's Story)
日系4世のベン・コーノによるフルートとナレーション。宮嶋がTogether for 311の13人全員の名前を一人ひとり読み上げ、感謝を捧げる。
10. The Future of the Planted Seeds(種を撒いたそのあとに)
震災当時ニューヨークにいた13人の日系移民・日系アメリカ人が立ち上げた「Together for 311」。10年間追悼式典を続けるなかで、他者を助けるために始めた活動が、いつしか自分たちに「もう一つの家族」という贈り物をもたらした。ベン・コーノのフルートが静かに、しかし確かな絆の美しさを奏でる。
11. Life Is Good(人生は素晴らしい)
311後に口腔がんを発症し、それを乗り越えた宮嶋の母・宮嶋裕子さんの物語。「震災とがんからたくさん学んだから、それを周りのために使いたい」という言葉が輝く。バンド全員の手拍子が生まれ、アンサンブルの喜びが溢れ出す躍動的な1曲。
12. 10 Years and Counting(10年、そして)
311の経験者かつ米国在住の移民女性作曲家として10年を振り返った宮嶋自身の物語。1から10までを重ねた旋律が繰り返すたびにハーモニーとアンサンブルが豊かに膨らんでいく。その成長の先に、より良い未来を作りたいという願いが宿る。
13. Fourteen Springs(14回の春)
失われた命の分も精一杯生きると誓った宮嶋みぎわの、静かで揺るぎない宣言。メーガン・マサコ・ヘイリーの歌声とレイチェル・セルリアンのトランペットが、14回の春に込められた深い思いを届ける。